2006年08月18日
セカンドインパクト クライシスUSA/州境封鎖
ジョー・ダンテ監督のテレビ映画作品。日本語ではまだDVD化されておらず、ビデオでしか見られない。数年前にテレビで深夜に放送されているのを見て、今でも印象に残っている。
原題は「The Second Civil War」。「第二次南北戦争」である。話は、パキスタンに核兵器が投下され、大量の難民がアイダホ州に向かうところから始まる。だが、アイダホ州知事は難民の受けいれを拒否、州境を封鎖することを宣言する。これを合衆国大統領は憲法違反だとして非難。州政府と合衆国政府の対立は、やがてアメリカ二度目の内戦という事態に向かっていく……。
とこう書くと、いかにも堅そうな社会派作品に思えるけど、そこはジョー・ダンテ。ヒネリがないわけがない。まず、いかにもネオコンな州知事の関心は、政治ではなく、メキシコ系女性レポーターとの不倫。移民を排除し、古き良きアメリカを守ろうと言いながら、自分は移民の女性に夢中なのだ。大統領は大統領で、ロビイストの言いなりで、支持率のことしか考えていないような人物。難民を指揮する慈善団体の代表も、マスコミを使って自分の団体をアピールすることを気にかけている。高い視聴率をゲットしようと奔走するテレビ局は、客観的な報道であることよりも、ドラマチックで一般受けする映像を優先する。
そういった様がコメディ調で描かれ、楽しんで見られる。だが戯画的に描かれてはいるが、それぞれの立場がおこなっている行動はその立場の中では十分な合理性をもっている。各立場でおこなわれる合理的な行動が、やがて全体としては大きな破綻へとつながっていく。それを考えると、ただ笑えるだけの作品だけでもない。
国の危機的事態にもかかわらず、相変わらず不倫ドラマが視聴率を稼ぐ様も描かれる。それは亡国の姿のようでもあり、愛に事態を打開する希望を託しているようにもみえる。
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2006年08月17日
ウィッカーマンがリメイク
カルト映画として(一部に)知られている「ウィッカーマン」がリメイク。こんな作品までリメイクせにゃならんとは、ハリウッドも末期のネタ不足か。そもそも「ウィッカーマン」はもう完成された作品で、手を加えるところもないように思うんだけど。裸踊りをよりねちっこくやるのか?
予告を見るとホラーっぽさが強調されているが、本編もそういう感じなのだろうか。元祖はわりとユルユルで進んでいき、最後に滝のような急降下というテイストだったが。
正直、期待しちゃいねえ。が、主人公役がニコラス・ケイジというのは悪くない。彼のどこかお間抜けな雰囲気を評価してのキャスティングだろう。あの主人公にはぴったしかも。
The Wicker Man…全米で9月公開
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2006年03月02日
シムソンズ
映画「シムソンズ」を観てきました。前のエントリーにも書きましたが、女子高生がカーリングに出会って成長していく物語です。最近、この手の作品が多いですね。展開も大体決まってて、わかっちゃいるんだけど、最後にはじーんときてしまいます。
主演は加藤ローサ。ふつーにかわいいです。彼女は、北海道常呂町に住む女子高生の役で、卒業を一年後に控えて、進路を決めあぐねています。この町には何もない。そして、この町と同じように、私にも何もない。一生、この何もない町で、生きていかなければならないのか。そういった地方の若者なら誰もが持っている憂鬱を抱えて、ぼんやり日々過ごしています。
そんなローサ演じる和子に、”何もない”呼ばわりをされた常呂町は、カーリングが盛んな町でした。和子には”マサト様”という憧れのカーリング選手がいて、そのマサト様に近づきたいという下心から、和子もカーリングを始めようとします。しかし、チームをつくるにはメンバーが必要です。和子は、親友で秀才の史江、家の農場を手伝う菜摘(友達なし)を口説き、チームを結成します。それに天才カーラー少女という過去を持つ、美希(協調性ゼロ)が加わり、「シムソンズ」が誕生します。「シムソンズ」というチーム名の由来も映画では語られます。大したことはありませんが。
ここで、シムソンズのコーチとして、平太というがさつな男が登場します。彼は金のためにコーチを引き受けただけで、まったくやる気がありません。そもそもこの時点のシムソンズでやる気があるのは和子と史江ぐらいで、後のメンバーは和子の強引さに渋々ついてきてるだけで、チームワークもへったくれもありません。さらに技術的には、経験者の美希を除き、ど素人のチームなわけで、このチームが試合をすれば当然のことながら、惨敗を喫します。
結局、1点も取れずに惨敗したシムソンズはそのまま自然消滅、となるところでしたが、和子は0点のまま終わりたくない、1点取ろうとメンバーに呼びかけてなんとかシムソンズは持ちこたえます。しかし、試練は続きます。プライドの高い美希を巡って、メンバーの心はバラバラになり、最大の危機をシムソンズは迎えることになります。
コーチに隠された過去があるところなど、スポーツ物には欠かせない要素はすべて詰まっています。それらを心ゆくまで味わうのが、「シムソンズ」の楽しみ方といえましょう。脇を固める夏八木勲や森下愛子の芝居もいい。
最後には、これもお決まり(?)の、運命の決勝戦が待っています。そこで、和子が重要な決断を迫られる場面がありますが、トリノオリンピックでカーリング知識を満たした人ならば、容易にその決断の重さを感じることができるのではないでしょうか。
自分を振り返ってみて、何もないと感じる人は少なくないと思うけど、シムソンズの女の子たちは”何か”を発見できた幸せな人たちだ。そういった”何か”は遠くにあるんじゃなくて、カーリングのように一見地味で、あまりかえりみられることもなく、だけど意外と近くにある。そういうものは、カーリング以外にも、この世界にはまだまだいっぱいあるんだよというのが、この映画のメッセージなんでしょうか。
常呂町のロケはやたらに寒かったようですが、出演者はがんばってます。そりゃ、北海道の北端で、冬の撮影だから寒いでしょ。関係ないが、トリノオリンピックの閉会式で人魚をやってた人は寒くなかったのか。
実在のシムソンズと比べて、どのあたりを脚色しているのかはわかりませんが、リアルシムソンズはソルトレークオリンピック終了後、解散します。映画では菜摘、史江として描かれていた、小野寺さんと林さんが中心となった、チーム青森編が始まるわけね。自分をモデルにした映画を観るというのは、どんな気分なんだろう。
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2006年02月12日
地球を守れ!
![]() | 地球を守れ ! チャン・ジュヌアン エスピーオー 2005-08-05 by G-Tools |
紹介しにくい映画なんだよな、これ。まず、ジャンルをどう言ってよいのやら。SF? サイコサスペンス? アクション? そうやね、青春映画としときましょう。陰々滅々たる青春だけど。
予備知識なく観た方がいい映画ってのがあるが、これはまさにそう。味付けはかなり濃いめなので、食あたりするかも。怪作だよ。
不要だとは思うが、ちょっとだけさわりを書いておくと、さえない男の子と女の子が地球人のふりをして生活しているエイリアンを拉致し、その正体を暴こうとする。だが、拉致してきた男は本当にエイリアンなのか。真実はどこにあるのか。事件を捜査する刑事も巻き込みながら、やがて怒濤の展開に。
随所に、他のSF映画で見たことがあるような描写もあって、ニヤリとさせられる。
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2006年01月31日
戦国自衛隊
![]() | 戦国自衛隊 半村良 角川ヘラルド映画 2006-10-20 by G-Tools |
「戦国自衛隊」を見た。最近リメイクされた映画でもなく、今日放映のドラマ化されたものでもなく、昔の角川映画華やかりしころの、千葉真一が主演しているやつ。「男たちの大和」で角川春樹は息を吹き返したみたいだが。
まず、「戦国自衛隊」はタイトルからして素晴らしい。「戦国」と「自衛隊」。絶妙な組み合わせだ。「恐竜」と「戦車」に負けるとも劣らぬインパクト。漢字タイトルどどーん、というのがやっぱ日本映画でしょ。「新幹線大爆破」「二百三高地」「飢餓海峡」「明治天皇と日露大戦争」。タイトルだけで、曙のトップロープからのボディプレスを受けているような気分になれる。
そして、自衛隊が戦国時代にタイムスリップするというアイデアの秀逸さ。シンプルにして、まったくの隙が無い。
だから、この「戦国自衛隊」という極上の素材をふたたび料理したい、そして儲けたい、という気持ちはよくわかる。だが、この角川「戦国自衛隊」の出来は手強いぞ。勝てるかな。
実はこの「戦国自衛隊」。子どものころに見た覚えはある。だが、子どものころに見た作品の多くがそうであるように、断片的な記憶はあるが、全体を統合したかたちで記憶できていない。あらためて見て、いろいろな発見があった。
まず、「戦国自衛隊」は本質的にはよくできたオバカ映画だということは認識しておきたい。平和を希求する日本という国家において、自衛隊というのはどういう存在なのか。人間が本当に人間らしく生きているのは、戦国か、現代か。そんな小難しいことを考えてもいいが、あんまりそういう映画じゃないね。
大体、主人公の伊庭義明三尉がかなり狂っている。自衛隊一個小隊で、正面から武田軍にぶつかろうとする蛮勇。そりゃ、自衛隊には迫撃砲やヘリコプター、戦車などの超弩級の兵器があるが、武田軍には二万の兵力がある。しかも、戦場は平地の川中島。武田軍をなめるにもほどがあると思うが、どうも伊庭は戦国大名気分に酔いしれているようで、まったく意に介さない。
伊庭は突撃による波状攻撃で、武田軍を崩そうとする。これに対し、武田軍は大軍の利を生かして、包囲しようとする。車懸りの陣と、鶴翼の陣?
自衛隊の破壊力は抜群だが、いかんせん隊員に実戦経験がないので、味方の屍の山を平気で乗り越えてくる武田兵にビビりがち。さらに、信玄は自衛隊の兵器に対して、あれやこれやの対抗手段を繰り出してくる。さすが、歴戦の強者。
思いの外、この川中島合戦シーンの出来が素晴らしかった。今見ても、迫力がある。
角川映画には、登場人物が一人一人死んでいき、その合間に歌が流れてその余韻をひっぱるという演出が多い印象があるが、この映画もまさにそういう感じ。そういう演出は、今の目から見ると、テンポを悪くしているだけに思えるが、ここらへんは公開された時代と映画はリンクしてるので、ギャップを感じるのかも。
最後のシーンの、千葉真一と夏八木勲の表情は実にいい。他にもいろんな役者がでてるので、それを発見するのも楽しい。
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2006年01月20日
THE OTHER FINAL
![]() | アザー・ファイナル ブータンサッカーチーム モントセラトサッカーチーム パイオニアLDC 2003-08-22 by G-Tools |
1月4日にNHKで放送された、映画「アザー・ファイナル」が面白かった。2002年、日本でワールドカップ決勝戦が行われた同じ日、ブータンで最下位を決定する決勝戦が行われ、それを描いたドキュメンタリー。
戦うのは、FIFA公式ランキング202位のブータンと、203位のモンテセラト。ブータンはアジアの国なので、仏教国ってことと高いところにある国ぐらいの印象はある。だけど、モンテセラトってどこ?
モンテセラトはカリブ海の島国で、イギリス統治領になっている。1997年に発生した火山噴火によって、島は大きな打撃を受け、国際試合が開催できる唯一の競技場も火山灰に覆われてしまっているそうだ。このモンテセラトの代表がブータンに遠征して、決勝を戦う。
決勝に至るまでの数日間、様々なトラブルが発生する。ブータンのコーチの急死、モンテセラトのコーチの辞職。審判が決まらない。遠征中にウイルスに感染したモンテセラト選手数名がダウン。
こうしたトラブルを乗り越えて、決勝が行われる。豪放で大胆なサッカースタイルのモンテセラトと、緻密で地道なブータンのサッカーが激突する。その勝敗や如何に。
この映画のテーマは、絶えず画面内に登場する、真っ白なサッカーボールが象徴している。今回の大会開催にあたり、ナイキやアディダスに資金協力がもちかけられたが、それらの企業の態度は素っ気なかった。要するに、金にならないことに金は出せないということだ。スポーツと商業主義。最近もトリノオリンピックの選手選考にあたって、スポンサーへの配慮があったのではないかといったことが囁かれたが、スポーツのダークサイドの規模も巨大化している。この映画は、そういった流れに対する、アンチテーゼなのだ。
THE OTHER FINAL …… 映画公式サイト
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2006年01月14日
映画「ホテル・ルワンダ」公開
「HOTEL RWANDA」のエントリーで紹介した、映画「ホテル・ルワンダ」がついに公開です。まずは、渋谷から始まり、全国主要都市で順次公開されます。僕が住んでいる東海地方では、2月25日(土)から名演小劇場で公開されます。ここは以前、演劇を上演する場として使われていたのですが、今は映画館になりました。
アフリカは内戦と貧困だけでなく、豊かな面も持ち合わせた地域です。マイナスイメージばかりで、アフリカをとらえることは、かえってその全体像を見失うことになるでしょう。しかし同時に、世界の無関心の中で、1994年アフリカのルワンダで何が起きたかを知ることは無駄ではないと思います。
執拗なまでの暴力描写などはないと聞いています。本質的には、観る人の心を熱くする映画だと思います。まだ、見てないんですけどね。
もし、お時間がありましたら、どうぞ。
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2005年12月03日
「アカルイミライ」が配信中
![]() | アカルイミライ 通常版 オダギリジョー 浅野忠信 藤竜也 メディアファクトリー 2003-06-27 by G-Tools |
BIGLOBEストリームで、映画「アカルイミライ」が配信されている。全画面再生もできるので、観たことがない人は観てみるのもいいんじゃないかと思う。現代日本の若者を描いた黒沢清監督作品だが、脚本も映像も僕はとてもリアルに感じた。主な出演は、オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也。世代の異なる3人の生き方はそれぞれ異なるが、3人とも深い絶望を抱えている。彼らに共感できる部分がある人ならば、十分この映画を楽しむことができると思う。
黒沢清監督はホラー作品で有名だが、ドラマ的な部分では、人と人の距離感や会話がとても日本的だと感じることが多い。そのあたりが彼の作品をリアルと感じる所以なのだろう。
僕はこの作品を観て、ポール・オースターの『ムーン・パレス』が思い浮かんだ。
細かいところでは、貧乏なのにやけにかっこいいオダギリジョーの衣裳や、なんかいやなはなわが印象に残る。あと、水母。
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2005年11月23日
シリーズ映画の法則(まとめ)
シリーズ映画の法則は、シリーズ映画の何作目が面白いのかを考える企画です。今回は、これまでの結果をふまえ、その結論を導き出します。
以下は、これまで取りあげた12シリーズの全評価から、合計及び平均値を算出したものです。エクセルを非生産的に使用しています。

これから分かることは、二作目の意外な健闘と、三作目のダウンぶりです。当然のことながら、一作目の高評価がなければ、二作目以降の作品は製作されません。たとえ監督が二作目以降の構想を持っていたとしても。(一気に撮影された「ロード・オブ・ザ・リング」などは除く。)そのため、シリーズ映画の一作目は安定的な評価を得ています。二作目は、一作目の成功の余韻が残っており、一作目ではできなかった試みを盛り込むことにより、緊張感を維持することができます。しかし、三作目になると、ネタ切れ、マンネリ化の倦怠感が作品全体を包むようになり、緊張感は大きく下降し、一作目以来のファン離れという現象が加速します。この”三作目の壁”とも呼ぶべきハードルは思いの外高く、これを突破するのは容易ではありません。
”三作目の壁”を乗り越えるにはどうしたらよいのでしょう。三作目の方向性としては、二つしかありません。ひとつは、店じまいと言いますか、物語を畳んでいくという方向。つまり二作目の流れを引き継ぎつつ、最後まで走り抜けるというもの。シリーズ映画としての正攻法であり、序破急という言葉がありますが、急すなわち全編クライマックス状態で観客を圧倒することが求められます。しかし、一作目二作目でふくらんでしまった観客の期待に応えるものをつくるのは至難の業でしょう。もうひとつは、それまでの作品とまったくちがう作品として生まれ変わるという方向。新生というとかっこいいですが、それならそもそもシリーズである必然性がなくなる可能性もあり、ファンの期待を裏切ることが良い方向に働くかどうかは微妙なところです。ギャラの問題などから、三作目はキャスト・スタッフの交代も多く、これによってそのシリーズが持っていた雰囲気を失わせてしまうことも少なくありません。とはいえ、たとえ二作目の流れを引き継ぐという方向性であっても、観客の期待に応えつつ、どこかで裏切るところがないと面白味は生まれず、何らかの新奇性は不可欠です。
ただ、上のデータからは、三作目が面白くなる可能性は低く、観客を十分に納得させることができていないということがいえます。ですから結論としては、シリーズ映画は一作目と二作目を見れば十分な場合が多いと考えられます。
ま、すべて僕の主観以外の何者でもないのですが。
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2005年10月13日
シリーズ映画の法則(7)
「ゾンビ」シリーズ
![]() | スマイルBEST ゾンビ 米国劇場公開版 Happinet(SB)(D) 2007-12-21 by G-Tools |
1 「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」……◎
2 「ゾンビ」……○
3 「死霊のえじき」……○
4 「ランド・オブ・ザ・デッド」……○
[寸評]一番、ホラー映画っぽい雰囲気の一作目を◎としてみた。二作目以降は、ゾンビという素材を使って、人間社会を描くという側面が強くなっていく。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ
![]() | ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション J.R.Rトールキン ポニーキャニオン 2002-10-02 by G-Tools |
1 「ロード・オブ・ザ・リング」……△
2 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」……◎
3 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」……○
[寸評]原作は読んでないが、映画は面白かった。長いんで、見るのにエネルギー使うけどね。二作目の評価が高いのは、攻城戦シーンのある映画が好きなので。
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2005年10月03日
「HOTEL RWANDA」公開決定に感激
びっくりしましたよ。このブログ(正確には、旧サイト「パーム遍路」の「HOTEL RWANDA」のエントリー)でも以前とりあげた映画「HOTEL RWANDA」の日本での劇場公開が決定したそうです。
僕は政治的な理由ではなく、あくまでこの映画が観たいという欲求から署名しました。この映画が人目にふれずに終わるというのも、とてももったいないことだと思いました。
だがそうはいっても、署名は目標の3万人には遠く及ばなかったし、この映画の値段が高い、観客が見込めないといった事情から、公開実現は難しいということも聞いていました。だから、今回の決定にはとても驚いています。でもそれ以上に、うれぴー。
今回の決定に至ったのは、『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会、通称ルワ会の人たちの熱意と行動力の成果でもあります。ありがとうと、お疲れ様を心から言いたい。僕のサイトのリンクから署名に至った方にも感謝申し上げます。
mixiやネットから生まれた、意識の高い活動のひとつとしても、意義あるものだったと思います。
あとは、名古屋まできてくれるとさらにいいんだけど。
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ゾンビ映画はなぜ怖くないか
もう上映は終了したみたいなんだけど、ちょっと前に「ランド・オブ・ザ・デッド」を見てきたので、その感想なんかを少し。
伝説のジョージ・ロメロ監督ゾンビ三部作が公開された時は、三作目の「死霊のえじき」の時でさえ、まだ僕自身幼き時だったので、映画館でロメロのゾンビを見るのは、今回が初体験なわけだあよ。まあ、ホラー映画は部屋でビデオで観るというスタイルもひとつの王道ではあるのだが、やっぱ好きな作品は一度は映画館で観たいという思いもあるわけで。あとビデオだと、おそがいシーンが近づくと気が弱いからリモコンのスイッチを切る誘惑にかられるけど、映画館だと逃げ場がなくていいというのもあるわな。っていうか、気が弱いくせにホラー観てんじゃねえよ。
さらに家でのビデオ鑑賞は、充実した音響環境を整えても、突然もの凄い悲鳴が鳴り響いて、近隣住民の不興を買う恐れもあるし。大体、ホームシアターなんて、機材をそろえるのはそれほど難しくないが、それに見合った住宅環境を手に入れる方が大変なんだ。対策としてヘッドフォンの使用というのも考えられるが、怖い映画だと本当に逃げ場がない。耳をふさぐこともできなくなる。キャーッ。
「ピンポーン、宅急便でーす」という邪魔が入らないことを思えば、映画館で観るのが一番映画に集中できる。映画館はねえ、上限1300円で、標準1000円ぐらいになってほしいねえ。
ホラーオタクと思われるとちょっぴり心外なので、一応言っておくと、ホラーならなんでもOKってわけじゃなく、スプラッタとかはむしろ苦手なんですがね。そもそも上質なホラー映画は、血をあまり見せずに、観客の想像力に訴えるものだし。
で、ゾンビ映画はわりと平気なんですわ(もちろん、映画にもよる)。なんでかと考えてみると、怖いのはゾンビが登場する直前の緊張感漂うシーンぐらいで、あとは襲われる人間よりもむしろ襲いかかるゾンビに感情移入しちゃうからなんでしょうね。「ランド・オブ・ザ・デッド」では、富裕層と貧困層とゾンビ層の三つ巴の攻防なんですが、現実の自分を省みれば貧困層に己を投影させてもよさそうなもんですが、それよりむしろゾンビに親近感、というのが困ったものです。ブランドに身を固めた金持ち連中がひどいめにあうのは、しゃあないねえ。
ただ、今回のゾンビは爽快感がありすぎて、後にひきずるイヤーな感じがないのが、物足りないといえば物足りない。「死霊のえじき」のようなだらだら感も少ないしね。
それより今回の見どころは、それぞれが孤立してさまよっていたゾンビが、連携をはじめたこと。労働者よ、団結せよってか。
あと、映画の中にGPS端末としてPDAが登場。機種はよくわからなかったが、Mioではなかったな。
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2005年09月29日
ざるどす選手権とは
![]() | 未来惑星ザルドス ジョン・ブアマン 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント 2005-06-24 by G-Tools |
”ざるどす”って何? という人のために。昔、「未来惑星ザルドス」というSF映画があったのです。見どころは、ショーン・コネリーが半裸で大暴れ、言ってる意味はよくわからんがとにかくすごい自信だという形而上学的な内容、そしてザルドスという名の空飛ぶ神像。
ザルドスというのは巨大な首だけの像なんですが、これが空に浮かんでいるシーンは異様なインパクトがあります。小難しい哲学的なストーリーは忘れても、このザルドスだけは忘れることができません。映画では、ザルドスが人々から神として畏れられている様が描かれていますが、巨大な顔がぷかぷか空に浮かんでいるのを見たらそりゃびびりますよ。
「未来惑星ザルドス」を体験して以来、空を飛ぶ巨大な顔を見かけたら、”ざるどす”と呼ぶことにしました。ざるどす選手権は、そんな世界中の空飛ぶ巨大な顔たちによって競われる選手権です。四年に一度、選手権大会が開催されます。
競技の内容は、「ざるどす、ざるどす」と言い続けながら相手を追いかけるとされていますが、詳細は不明です。来年、日本の山城国で選手権大会が開催されるそうです。この謎の多い大会の詳細が分かり次第、このサイトで順次お伝えする予定です。
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2005年09月08日
つまんない人たちによる文化行政
■なみおか映画祭:今年限り ポルノ上映で補助金打ち切り (MSN-Mainichi INTERACTIVE)
全国の映画ファンに親しまれている青森市の「中世の里なみおか映画祭」の実行委員会は8日、映画祭を大幅に縮小し、今年で最後とすることを決めた。日活ロマンポルノを特集する企画に、市教委が補助金130万円を打ち切り、会場も貸さなくなったため。文化庁は日活ポルノの芸術性を認めて補助を決めていた。
いろんな意味で、悲しいニュースだ。ポルノの全面否定って、いつの時代の感覚してんだよと胸ぐらつかみたくなるような市教委の人たち。神代辰巳っていっても知らないんだろうなあ。いまだに愛のコリーダ裁判で時間が止まっているようだ。補助金たって、たかが130万円だぞ。文化行政ってなんだよ。文化庁の方がよくわかってんじゃねえか。会場を貸さないというやり方も、地方行政にありがちないやらしさだ。
今回のことは、ポルノ上映を口実にしているが、本当は補助金を打ち切りたかったんじゃないかなどと勘ぐりたくもなる。地方の映画祭はどこも台所事情が苦しいときく。補助金を打ち切られれば、そこでもうおしまいという、今の日本における文化というものの底の浅さが悲しい。
もっとも、去年のなみおか映画祭のラインナップを見るに、田舎で上映するにはあまりに志が高すぎるかなあという感じもするが。差別的に聞こえたらごめんなさい。でも、地元にとけこんだイベントになっていたのかな。
昭和期は、エログロで退廃的な時代から、禁欲的な時代になっていくうちに、やばくなっていったんだよなあ。
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2005年08月16日
シリーズ映画の法則(6)
「ダイ・ハード」シリーズ
![]() | ダイ・ハード (ベストヒット・セレクション) ブルース・ウィリス, ジョン・マクティアナン 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-10-24 by G-Tools |
1 「ダイ・ハード」……◎
2 「ダイ・ハード2」……△
3 「ダイ・ハード3」……△
[寸評]「リーサル・ウエポン」シリーズでもそうなんですが、アクション映画のシリーズ物は、一作目で人間的な弱さもみせた主人公が、二作目以降は単なるスーパーヒーローになってしまい、キャラクターとしての魅力が半減してしまう。「ダイ・ハード」は二作目、三作目もただのアクション映画としてみれば出来は悪くないものの、主人公がマクレーン刑事でなくてもかまわないと思えてくる。
「エイリアン」シリーズ
![]() | エイリアン アルティメット・コレクション シガニー・ウィーバー, トム・スケリット, チャールズ・S・ダットン, ウィノナ・ライダー, リドリー・スコット 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-04-15 by G-Tools |
1 「エイリアン」……◎
2 「エイリアン2」……○
3 「エイリアン3」……×
4 「エイリアン4」……△
[寸評]「エイリアン」シリーズは面白い。それは、良くも悪くも監督の個性がそれぞれに発揮されているからだ。その中で、どの「エイリアン」が一番怖いかといえば、それはもう圧倒的に第一作と言う他ない。
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2005年07月27日
曹操孟徳
![]() | 独眼竜政宗 (3巻セット) ジェームス三木 アミューズ・ビデオ 2002-08-23 by G-Tools |
■ジョン・ウーの三国志映画に渡辺謙が主演! (eiga.com)
ジョン・ウー監督が長年温めてきた「三国志」の映画化企画「The Battle of Red Cliff(赤壁之戦)」に、渡辺謙が主演することになりそうだ。現在、曹操役を渡辺謙、劉備役をチョウ・ユンファ、諸葛亮役をトニー・レオンがそれぞれ交渉中。さらに、アンディ・ラウも周瑜役として名前が挙がっている。
昔、「三国志 大いなる飛翔」という中国映画が上映されたので、三国志ファンの僕は期待に胸ふくらませて観にいったんですよ。でも、それがひどかった。それぞれの得物を手に二人の騎馬武将が猛然と接近。すわ、一騎打ちかと思った瞬間、二人の武将は馬を降りたかと思うといきなりカンフー勝負に突入。あ然ですわ。どういう戦術やねん。時代考証とかどうねってんねん。
主要キャラを演じる中国人俳優もそれぞれベテランの実力派揃いらしいのですが、みんな単なるおっさんにしかみえず、見分けがつかん。演出も、京劇をそのまま持ってきたような演出で、躍動感がない。それ以来、「三国志」の映像化にはもう期待すまいと心に決めたのでした。
「三国志」の映像化でもっともしっくりくるのは、川本喜八郎の人形劇だ。森本レオの孔明に、せんだみつおの張飛に、紳紳・竜竜だ。人形なので、自分が抱いていたイメージをそこに投影できる余地があるからだろうか。俳優だと、これはちがうと思っちゃうと、もう感情移入できなくなってしまう。大河ドラマなんかでは、だんだん慣れてくるというのはあるけどね。
で、上記の記事では、曹操役として渡辺謙にオファーがいっているもよう。董卓役は若村真由美の旦那にオファーが(未確認)。
赤壁の戦いは、曹操の天下統一の野望を挫き、三国時代の幕を開けたきっかけになった重要な戦いとされているが、実際の戦闘には謎が多い。それだけ解釈の余地も大きく、クリエーターが自由に描くことができる舞台だといえる。
面白いキャスティングだし、今回は期待してもいいかなあ。
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2005年07月19日
シリーズ映画の法則(5)
「インディ・ジョーンズ」シリーズ
![]() | インディ・ジョーンズ アドベンチャー・コレクション (期間限定生産) ハリソン・フォード, カレン・アレン, ケイト・キャプショー, キー・ホイ・クァン, スティーブン・スピルバーグ パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2008-06-06 by G-Tools |
1 「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク」……◎
2 「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」……○
3 「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」……△
[寸評]スピルバーグの代表作です。安心して楽しめます。四作目はどうでしょうか。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ
![]() | バック・トゥ・ザ・フューチャー DVDコレクターズBOX 【初回生産限定】 マイケル・J・フォックス, クリストファー・ロイド, リー・トンプソン, クリスピン・グローヴァー, ロバート・ゼメキス ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2008-08-07 by G-Tools |
1 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」……◎
2 「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」……△
3 「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」……△
[寸評]明らかに一作目で完結しているのに、水増ししてつくられた続編。そのわりには、がんばってる。
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2005年07月15日
Sith
「スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐」を見てきました。最近はDVDやテレビで映画を見ることが多く、久しぶりに映画館に足を運びました。やっぱ大画面はいいですねえ。家のせまい部屋に置かれたテレビ兼PCの17インチディスプレイで見る映画も悪くないですが、時々、飽きてくるんですよね。
映画の評価は賛否が分かれてるみたいですが、僕は楽しめました。ちゃんと暗い内容になっていたし、あれだけやってくれれば十分でしょう。パルパティーンがアナキンに揺さぶりをかけるシーンは、人間ドラマが不得手なルーカスには珍しく見応えのあるシーンだったし、オビ=ワンに敗れたアナキンの無惨な姿も印象的でした。
執着を戒めるヨーダの言葉は、このシリーズが仏教などの東洋の思想の影響を受けていることをあらためて思い起こさせるものですし、予言から逃れようとするための行動が却って予言の運命をひきつけてしまうという筋立ては古代の叙事詩を見ているかのようです。
戦争状態になると善と悪の見分けがつかなくなる、自由は簡単に死ぬ、といったメッセージは現代世界に向けられたものでしょうか。
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2005年07月09日
「電車男」の続編を考える
![]() | 電車男 (新潮文庫) 中野 独人 新潮社 2006-12 by G-Tools |
「電車男」の続編は、こんな展開をキボンヌ。
「電車男 VS 鉄道員(ぽっぽや)」
ある夏、電車男は青春18きっぷで北海道に旅行していた。北海道列車の車内で、酔っ払いにからまれていた美少女を助ける。ネット接続ができない僻地での恋は実るか。ロケ敢行の感動巨編。
「電車男 VS 竹内力」
ある日、電車男は美しい女性に酔っ払いがからんでいる場に出くわす。だがその酔っ払いは竹内力だった! ぼこぼこにされた電車男の運命は。男の真価を問う熱血巨編。
「電車男 VS バス男」
女性に、事前に示し合わせた酔っ払いをけしかけ、助け出すという自作自演の事件が頻発。湾岸署の刑事が捜査を開始する。捜査線上に浮かび上がった”バス男”と名乗る謎の男の正体は。サスペンス巨編。
「電車男 VS 流星課長」
”バス男”事件以来、orzな気分の電車男。今日も座れそうな席をタッチの差で、一人の管理職に座られてしまう。その男は彼に話しかける。「事件はまだ終わっちゃいない。」 社会派巨編。
「電車男 VS きかんしゃトーマス」
エルメスを守るため、電車男は命を賭けて暴走機関車トーマスに立ち向かう。アクション巨編。
「電車男 VS 星野鉄郎」
トーマスとの死闘で瀕死の重傷を負った電車男。彼はトーマスを倒すため、機械の体を求めて銀河鉄道に乗り込む。そこで、酔っ払いにからまれていた長い金髪と睫毛をもつ美しい女性を助ける。ついにすべての謎が明らかに。SF巨編にして、堂々の完結編。
本も映画もドラマも見ずに書いてますが、なにか?
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2005年07月08日
シリーズ映画の法則(4)
「死霊のはらわた」シリーズ
![]() | 死霊のはらわた2 (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】 ブルース・キャンベル.サラ・ベリー.ダン・ヒックス.キャシー・ウェスリー.セオドア・ライミ.リチャード・ドメイア.デニス・ビクスラー, サム・ライミ ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2008-06-12 by G-Tools |
1 「死霊のはらわた」……○
2 「死霊のはらわた 2」……◎
3 「死霊のはらわた 3 キャプテン・スーパーマーケット」……○
[寸評]最近の「スパイダーマン」を見るにつけても、シリーズ映画をつくらせたらサム・ライミ監督の右に出る者はいないのではないかと思う。観客の続編に対してのリクエストに応えつつ、少しだけいい意味で予想を裏切る展開がある。そんな理想的なシリーズ映画のあり方を体現しているのが同監督の「死霊のはらわた」シリーズ。一作目は自主映画っぽいつくりのもの凄いスプラッター。二作目は一作目のリメイクで、正統派ホラー。三作目はもはや一作目とは別物の、レイ・ハリーハウゼンもあるよのおもちゃ箱みたいな映画。怖い映画だったはずがいつの間にこんな展開に、とあ然とさせられる。でも、面白い。
「マトリックス」シリーズ
![]() | マトリックス キアヌ・リーブス, ローレンス・フィッシュバーン, キャリー=アン・モス, アンディ・ウォシャウスキー ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-07-21 by G-Tools |
1 「マトリックス」……○
2 「マトリックス リローデッド」……◎
3 「マトリックス レボリューションズ」……×
[寸評]一作目は革新的な映画だった。アニメーションのように実写を撮るという新しい映像の姿を示した。二作目は一作目以上の映像に挑戦し、それをやり遂げた。伏線は入念にはられ、期待は否応なく高まる。そして、三作目。一作目以来の宿敵だったはずの機械と司法取引をするという展開に愕然。
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2005年07月05日
HOTEL RWANDA
「ホテル・ルワンダ」という映画を知ったのは、町山さんのブログででした。その紹介文からは、ルワンダで起きた大量虐殺事件を扱った凄惨な内容ながら、深刻なテーマに真剣に向き合った力強い作品という印象を受けました。しかし、海外でも高い評価を受けたこの作品が、日本では公開されません。宇宙での戦争を描いた空想映画ならいいが、地球上で起きている生々しい現実の映画はかけられないということでしょうか。
ルワンダでの虐殺事件は、数年前に報道されていたことを覚えています。だが、全体の情報量としては、先進国でのテロ事件と比べた場合、その絶対量が少ない。ルワンダがどこにあるか知らないという人もいるでしょう。今回のサミットではなかなか改善されないアフリカの貧困について話し合われますが、その貧困を生みだしている理由が頻発する民族紛争という点からも、この映画の重要性がわかります。
「ホテル・ルワンダ」が日本で公開されないという現状に対して、何人かが動き出しています。この映画に関心をもたれた方は、是非とも上のバナーリンクから「『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会」のサイトをのぞいてみてください。公開をめざして署名運動が始まっています。
僕自身も署名します。この流れが大きな流れとなり、公開が実現しますように。
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2005年07月01日
シリーズ映画の法則(3)
「ターミネーター」シリーズ
![]() | ターミネーター (ベストヒット・セレクション) アーノルド・シュワルツェネッガー, ジェームズ・キャメロン 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-10-24 by G-Tools |
1 「ターミネーター」……◎
2 「ターミネーター2」……○
3 「ターミネーター3」……△
[寸評]演出の派手さは二作目がトップだが、面白さや完成度という点ではやっぱり一作目にかなわない。怖いロボットが執拗に追いかけてくるという単純明快さがいい。三作目はB級テイストの作品だが、個人的にはあのラストは好きだ。
「スター・ウォーズ」シリーズ
![]() | スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX ジョージ・ルーカス, マーク・ハミル, ハリソン・フォード, キャリー・フィッシャー, アーヴィン・カーシュナー 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-06-25 by G-Tools |
1 「スター・ウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望」……◎
2 「スター・ウォーズ エピソードⅤ 帝国の逆襲」……○
3 「スター・ウォーズ エピソードⅥ ジェダイの帰還」……△
4 「スター・ウォーズ エピソードⅠ ファントム・メナス」……△
5 「スター・ウォーズ エピソードⅡ クローンの攻撃」……○
6 「スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐」……?(まだ見てないので)
*上映順に並べています。
[寸評]「スター・ウォーズ」シリーズのような熱烈なファンのための映画というのは、一般的な評価はしにくい。好きになれる人とそうでない人では当然大きく評価もちがってくる。ファンの間ではもっとも評価が高い「帝国の逆襲」も、客観的に映画として見た場合、演出のテンポが悪いように思う。だがファンにとっては、各キャラクターの個性がよく発揮された、見せ場の多い作品として受けとめられている。だから作品の出来だけを云々してもあまり意味がないのかもしれない。
僕が子どもの頃に一番最初に見た作品は「ジェダイの帰還」だった。サーガの背景も知らずに見たために、これは熊の映画なのか? とか、ダースベイダーってかっこいいけどマスクの中って、ただのおっさんかよ! という印象しか残らなかった。そんな出会いだったので、「スター・ウォーズ」との相性は今でもいまいちなのだが、それでも「シスの復讐」は楽しみにしてます。
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2005年06月24日
シリーズ映画の法則(2)
数回にわたって、いくつかのシリーズ映画を取り上げます。
シリーズ映画は3作以上と定義する。
作品毎の評価は、◎、○、△、×の四段階。
◎は、シリーズの中でイチ押しの一作。3点。
○は、面白く、満足できる作品。2点。
△は、不満もあるが、見て損はない作品。1点。
×は、つまらない。失敗作。0点。
評価はブログ筆者の偏見に基づく。最終的には、評価点数の合計を比較して、シリーズ映画の法則を見出す。
「猿の惑星」シリーズ
![]() | 猿の惑星 (ベストヒット・セレクション) チャールトン・ヘストン, フランクリン・J・シャフナー 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-10-24 by G-Tools |
1 「猿の惑星」……○
2 「続・猿の惑星」……◎
3 「新・猿の惑星」……○
4 「猿の惑星・征服」……○
5 「最後の猿の惑星」……△
6 「PLANET OF THE APES 猿の惑星」……○
※6はリメイク作品。
[寸評]「猿の惑星」シリーズはどれも面白く、極端につまらない作品はない。二作目のラストは一作目以上に衝撃的で、あ然とさせられる。
「ロッキー」シリーズ
![]() | ロッキー (特別編) シルベスター・スタローン, ジョン・G・アビルドセン 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-04-16 by G-Tools |
1 「ロッキー」……○
2 「ロッキー2」……○
3 「ロッキー3」……◎
4 「ロッキー4」……△
5 「ロッキー5」……△
[寸評]熱い映画として登場した「ロッキー」は、三作目ぐらいまではその熱さを維持していた。だが、四作目でロッキーは完全にヒーローと化してしまい、一作目にあったどん底からの飛躍というドラマ性は失われてしまった。五作目はこれまでと異なるホームドラマになったが、これを受けいれられるかどうかで評価は分かれるか。
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2005年06月23日
シリーズ映画の法則(1)
最近のハリウッド映画はリスクを避けるために、やたら続編やリメイクが多い。そこで思ったのが、映画のシリーズものは何作目が面白いのかということ。これってトリビアになりませんかね。
まず、一作目がヒットしない作品は続編を製作される可能性はないので、一作目というのはシリーズものにとって別格的な存在となる。この一作目を超えられる作品がそれ以降の続編に登場する可能性は必ずしも高くないが、それでも一作目とは異なる方向性で成功することもある。僕自身は、続編作品ははなから期待していないことが多いので、ちょっと面白いだけで「まあ、いいか」と満足してしまったりする。一作目と比べれば、歴然とした差がある場合であっても。
だが、面白かった映画の続編ということで期待に胸ふくらませて見る人にとっては、多くの続編はカス以外のなにものでもなくなる。そうした反応もごく自然なものであるし、続編だから放っておいても人が入ってくれましょう的な志の低い映画をつくっている会社に対してはむしろふさわしい反応かもしれない。我々はつまらない続編で搾取されてるわけだから、怒って当然だ。
それでもシリーズものの映画は何作目が面白いのかということを知れば、つまらない映画を見なくてすむ。例えば、「三作目が面白い可能性が高い」という法則が発見されれば、なんだかマトリックスという映画が人気らしいけど今から三作も続けて見るのは面倒だという人にとっても、なんだ三作目だけ見ておけばいいんだということになり、時間とエネルギーを節約できる。
連続ものの映画を一作だけ取り出して見て面白いのかとか、面白さというのは主観的なものだろ、といったツッコミはいろいろありましょうが、これだけ上映時間が長くなり、続編が増加する傾向にある以上、私たちも何らかの対策を考えなければなりません。ドッグイヤーです。時は金なりです。貴重な人生の時間を無駄にすることはできないのです。
というわけで、「シリーズ映画の法則」と題して、何作目が面白いのかということを検証してみようと思います。(ヒマな企画だ……)
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2005年06月18日
ゾンビを調教しませんか
![]() | スマイルBEST 死霊のえじき 完全版 Happinet(SB)(D) 2007-12-21 by G-Tools |
ちんさんのブログでロメロの新作ゾンビ映画「Land of the Dead」について紹介されていた。噂では聞いていたが、いよいよ来るか。
だけど正直不安もあった。今のロメロにかつての三部作並みのゾンビ映画が撮れるだろうか。だが町山さんのブログを見ると、かなりいけそうな雰囲気が伝わってくる。もともとロメロのゾンビ映画はドキュメンタリーっぽいが、今回の作品も9・11以降のアメリカをふまえた見応えのあるものになっているようだ。わくわく。
ロメロ三部作を振り返ってみて、僕がもっとも好きなのは「死霊のえじき」。映画としての出来は、前二作に劣る。だが作品全体を流れる終末感は一番強い。
前二作ではゾンビという存在は特別なものであったが、この作品ではゾンビはすでに日常になってしまっている。地上はすでにゾンビで埋め尽くされしまって、生き残った人間たちは地下で生活している。彼らは長い間ゾンビとつきあっているので、どう対応すればよいのか理解している。研究のためにゾンビを捕獲し、実験材料としているが、その捕獲も手慣れたものでゾンビをおちょくる余裕さえある。人間はこんな悲惨な環境でも適応してしまうのだ。
さらにゾンビを研究する博士は、ゾンビを調教し、ゾンビの人間性を回復させようという実験に余念がない。この博士とゾンビのこころの交流が本作最大の見所で、博士の努力によってすこしづつ人間性を取り戻していくゾンビくんの姿は感動的だ。鑑賞の際はハンカチをお忘れなく。博士はこのゾンビくんに、死んだ人間の肉をこっそり与えていて、やがてそれが発覚。博士は他の人間の怒りを買い、射殺されてしまう。ああ、マッドサイエンティスト、ここにあり。
ゾンビが人間らしさを取り戻せば、人間はますますその人間性を失っていく。とくに軍人は、非人間的な存在として描かれている。こうしたロメロお得意の皮肉が、この作品でも随所に見られる。
作品を通しての終末感がなんによるものなのかと考えると、全体のだらだら感にあると思う。ゾンビと人間が対峙している時でさえ、どこか緊迫感がなく、だらだらしている。世界の終末はハルマゲドンのような劇的なものではなく、きっとだらだらとしたものなのだろう。
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2005年06月14日
soylent green is
![]() | ソイレント・グリーン 特別版 スタンリー・グリーンバーグ ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-11-02 by G-Tools |
近未来を舞台にした暗いストーリーが好きだ。なぜだろう。主人公が、ひどい状況の中でひどい目にあうのがいいのかな。結末の救いのなさが合うのかな。いずれにせよ、他人事とは思えないのですよ。こういった作品で描かれているひとつひとつの現実が。
「ソイレント・グリーン」は『人間がいっぱい』という小説が原作になっているのですが、小説の題名通り、人口爆発や環境破壊によって衰退した未来世界が描かれます。時は2022年、ニューヨークの人口は4千万人、失業者は2千万人にのぼります。食糧不足は慢性化し、住宅をもたない人で街はあふれている。人々にはあらたに海中プランクトンでつくった高栄養食品ソイレント・グリーンが支給されることになるが、ソイレント・グリーンには秘密があった……。
日本は少子化で、2006年の1億2774万人をピークに人口は減少していきます。少子化は問題とされますが、かといってこの狭い国土で今以上の人間を養うことができるのかというと疑問です。今でも明らかに日本の人口は多すぎると僕は思っています。もちろん少子高齢化で社会保障制度が維持できないなどの問題は非常に深刻ですが。
先進国の少子化が進む中で、世界全体では人口は今後も増加することが予測されています。そうすると、資源の奪い合いという事態がより激化するわけで、食糧やエネルギーの多くを輸入に頼っている日本は苦しい立場にたたされるかもしれません。最近、もし食糧の輸入が止まった状態になった場合、日本人の食生活はどうなるかというデータが発表されましたが、それによれば要するに一日中イモばっかり食ってなきゃいけなくなるようです。
映画では、暴動の鎮圧にショベルカーが人間をゴミのようにすくいあげるシーンや、美しい自然の映像が印象的です。自然の映像は、安楽死する人間が施設の中で最期に見せられる映像なんですが。そうやって安楽死した人間の死体は、ゴミ収集車で運ばれていきます。
こんな未来はダメだ。絶対にダメだ。そういう映画なんですね、これは。
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2005年05月25日
春琴抄
![]() | 春琴抄 谷崎潤一郎 EMIミュージック・ジャパン 2000-10-25 by G-Tools |
学生時代にこの映画を授業中に見ていたときのことです。僕は映画の原作となっていた谷崎潤一郎『春琴抄』の内容については知っていたので、ラストで三浦友和が眼に針を刺すというのは予想していました。だから、そのショッキングなシーンがどのように演出されているだろうか、上映中に頭の中でいろいろシミュレーションしながら見ていたわけです。
すると、視界が紅く染まり始め、風景が血の色に変わっていきました。周りの音は小さくなっていき、現実がどんどん離れていくような感触に包まれました。あれ、僕はなにをしているんだろう、いまは何時だ、そんな疑問が不意に生まれて、すぅっとなにかに吸い込まれるような力を感じ、身をまかせました。
……気を失ってやんの。わりと、ホラーとかスプラッターは平気な体質だと思っていたんですがねえ。体調が良くなかったんでしょうか。そういうわけで『春琴抄』は、公衆の面前で失神させられた屈辱の映画として僕のこころに刻まれております。普通に考えれば、山口百恵の映画でグロテスクな演出なんかするわけないんですが。自分の想像というか妄想で失神ですわ。
でもねえ、眼に針を刺すですよ。眼に針を刺す、眼に針を刺す、眼に針を刺す、眼に針を刺す。想像できます? 恐ろしいですよ、やっぱり。
最初からホラーというジャンルに分けられていればこころの準備をしてのぞみますが、たまに普通の映画のふりをしてショッキングなシーンが用意されている映画というのもあって、油断はできません。原作の『春琴抄』には、眼に針を刺すシーンが異様なまでにリアルに描写されていて、谷崎め楽しんで書いてやがると思わずにはいられません。
ちなみに下の映画は面白いらしいのですが、眼球注射のシーンがあると聞いて、怖くて見れてません。
![]() | ゾンゲリア ジェームズ・ファレンティーノ, メロディ・アンダーソン, ジャック・アルバートソン パイオニアLDC 2002-02-22 by G-Tools |
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2005年05月19日
スピーシーズ
![]() | スピーシーズ 種の起源 ナターシャ・ヘンストリッジ, マイケル・マドセン, ロジャー・ドナルドソン 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン 2007-07-27 by G-Tools |
はい、生真面目で石部金吉金兜ぷらす金剛肉棒なブログで~す。今日も堅い話に終始しますよー(^_^;)。
ていうか、金太、マカオに着く(by つボイノリオ)話を颯爽と披露するちんさんのサイトはすごかとです。あの面白さには誰もかないません。いろんな毛を献上したいくらいに、もう心底リスペクトですわ。ああいった職人芸を素人が真似しても、イタい文章綴り方教室になっちまうのが落ちでごんす。それゆえ差別化ってことで、このぶろぐーはこんな感じで相も変わらずです。
で、あらためて媚を売っておきますが、パームボンチ・メロウライフは最高だっちゅーの。さーびす精神あふれすぎ。あ。顔には付いていないのか。
ところで話は変わりますが、「スピーシーズ」の続編そろそろかなあって思ってたら、なんときてるんですね「スピーシーズ3」。「トレマーズ」、「スターシップ・トゥルーパーズ」のけっこう佳作な1作目、そこでやめときゃいいものをタイトルだけで人集まるんならというお手軽戦略の挙句どんどんしょぼくなってく続編たち、もう誰も望んじゃいねえ期待しちゃいねえのにつくられ続けるゾンビクローン。そんな道をお前も逝くのかスピーシーズ。
「スピーシーズ」という映画について説明しておきますると、まずエロ、次にグロ、そして気高くH・R・ギーガーのクリーチャーが見せ場の映画です。セクシーさで男を誘惑するエイリアン、でお楽しみの後に男はひどい目にあうという定番の頭が悪い映画です。この映画から人生の滋味を味わうことも可能ですが、制作者側も観客にそこまで期待してないでしょう。
個人的には2作目の「スピーシーズ2」が1作目に劣らず、意外と面白いと思っています。とはいってもバリバリB級なので、もし見る方は期待値をぐっと下げた上でご覧くださいまし。
で、どうしてこの「スピーシーズ」を推すかというと、僕がナターシャ・ヘンストリッジLOVEだからです! 出演作にB級ホラー作品が多いのを本人はどう思っているのかわかりませんが、あっしは大歓迎でやんす。おそらく彼女は顔が整いすぎているのが、いまひとつメジャーになりきれない理由なんじゃないかなあ。とはいえ、これからも体当たり演技でそのお顔と肢体を見せてほしいです。「スピーシーズ」シリーズはナターシャ様を見るための映画です(「スピーシーズ3」は特別出演)。
でも、多分「スピーシーズ3」はつまらない。
just-natasha.com …… ナターシャ・ヘンストリッジのファンサイト (英語)
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2005年05月10日
マチネー/土曜の午後はキッスで始まる
![]() | マチネー/土曜の午後はキッスで始まる サイモン・フェントン, オムリ・カッツ, ジョー・ダンテ パイオニアLDC 2002-02-22 by G-Tools |
六ヵ国協議再開されず。アメリカ、北朝鮮核問題を国連安保理に付託。アメリカの北朝鮮封じ込め策に、中国、ロシアが拒否。北朝鮮、核実験を強行。アメリカ、北朝鮮核関連施設を爆撃。北朝鮮、日本の米軍基地に向けて、核ミサイルを発射……。
最近の北朝鮮の動向は、そんなシナリオに向かってゆっくり進んでいるようにも見える。不安を煽るわけではないが、緊迫の度合いが強まっていくのはほぼ間違いない。だが、たとえそんな中であっても人々は日常を淡々と生きていく。
「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」は、核戦争に最も接近したといわれる、キューバ危機を背景にしている。とはいえ舞台となるのはアメリカの田舎町で、のどかでゆるい空気が町を支配していて、人々の危機への対応もどこか間が抜けている。さらにそんな時勢でありながら、B級ホラー映画で一発当てようと狙う映画プロデューサーは、観客の恐怖感を高める画期的な劇場システム(ちゃっちい)の開発に余念がない。おたくな少年は(ある一部に)大評判のホラー映画が町にやってくることに大喜び、危機に右往左往する大人を尻目に、映画プロデューサーに会いに行く。
この映画、キューバ危機という現実と、のどかな田舎町に生きる人たちのコミカルさが絶妙なバランスでブレンドされている。子どもたちにとってはもちろん核戦争より、ホラー映画の方が重要なのだが、それでも彼らは彼らなりに町を飲み込もうとしている災禍を理解している。そんなせつなさも、この作品の味わいを深くしている。
それに加えて、この映画には少年の恋もある。キューバ危機という現実を逆手にとって、映画を成功させようとする山師的な映画プロデューサーのたくましさもある。僕の好きな要素がすべてつめこまれている。
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2005年04月13日
タナカヒロシのすべて
数年前に知人から演説ビラを渡されて、初めて鳥肌実を知った。そのビラを見たときに思ったのが、いつかこういう人が出てくるんじゃないかとどこかで感じていて、やっぱり来たかという印象だった。
その鳥肌実主演の映画「タナカヒロシのすべて」という映画が上映される。主人公タナカヒロシの、誰にも干渉されず、平凡に暮らしたいという望みは僕自身の望みでもあり、その気持ちはすごくよくわかる。題材や出演者をみると期待できそうなので、あとは脚本の出来次第かな。
映画「タナカヒロシのすべて」公式サイト (音あり)
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2005年03月29日
映画を選ぶ
映画はどのようにして選ばれるものなのか。この忙しい時代に2時間近くも拘束され、1,800円という安くはない料金を払って、しかもそれが面白いかどうかは観てみないとわからないというのは、十分ギャンブルな行為といってよいのではないだろうか。
そのギャンブルに身を投じる際に最も重視される情報とはなんだろうか。キャスト、スタッフ、ストーリー、話題性。もちろん多忙な人の中には、たまたま空いた時間に上映されていた作品に飛び込むという人もいるだろう。また、なるべく事前に情報を仕入れずに観ることに価値を見出す人もいるかもしれない。だが今の時代、情報をシャットダウンすることは、情報を獲得する以上に難しい。無作為に映画を選択しようとしても、無意識的にしろ、その人なりの選択基準が働いてしまうものだ。
キャスト、すなわち俳優で選ぶというのは女性に多いような気がするがどうだろうか。近所のビデオ屋も俳優別に分類して並べられることが多い。お気に入りの俳優を目当てに観に行って、ちょっとしか出てこないので失望したという経験をした人も少なくないだろう。なお、先ほど女性は俳優で映画を選ぶと書いたが、お色気な作品では男性は女優で作品を選ぶので、それほど違わないか。
スタッフ、例えば監督で選ぶという人は通という感じがする。プロデューサーで選ぶという人はあまりいないと思うが、脚本家で選ぶという人はかなり映画を観ている人という印象がある。スタッフは他にも、音楽、撮影、衣裳などいくつかあるが、これらは映画を選ぶ際の判断基準の一つにはなりうるが、決め手としては弱い。
ストーリー、内容で選ぶというのは一番オーソドックス。だが、最近は事前の情報が氾濫しすぎて、初見の驚きという体験が失われているように感じる。映画を観るという行為が、得た情報を確認する作業になってしまっている。ネットを使えば作品の結末といった情報も手に入れることができるが、それは実際に観たときの興奮を削ぐ行為でもある。つまらない映画を観ずにすむリスクを避けられるかわりに、映画を面白く観られなくなるという両刃の剣だ。
話題性、つまり人気があるから、友人知人が面白いと言っていたからという選び方。面白くない映画を選んでしまうリスクを軽減するには有効な方法ながら、絶対ではない。あなたとあなたでない人との価値観は異なるから。話題性で選ぶ人が多いと、大作の続編ばかりがつくられることになる。また、明らかに宣伝のやり方がまずい映画もある。作品の意図がまったく伝わらない宣伝によって、興行的に損をしている映画は少なくない。
実際は上に挙げた情報を複合的に判断して、映画は選ばれる。同伴する相手がいる場合は、相手の意向に大きく左右される。映画館で観る映画と、DVDで観る映画を分けている人も多いだろう。いずれにせよ、こういった調査をしているところがあれば、その結果を是非公表してほしいものだと思う。
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2005年03月22日
the art of star wars
![]() | スター・ウォーズエピソード3シスの復讐写真集 (Lucas books) ソニーマガジンズ 2005-05 by G-Tools |
アート オブ スター・ウォーズ展に行ってきた。エピソード3を中心に、という謳い文句通り、エピソード3関連の展示が多い。物語の骨格はすでに明らかにされているとはいえ、ここまで情報を出してくるとはちょっと意外だった。
会場を入ると、まずエピソードⅣ、Ⅴ、Ⅵの簡略な展示が見られる。以前に名古屋市科学館でおこなわれた展示から、主要なものを抜き出してきた感じ。その奥に進むと、エピソードⅠ、Ⅱの展示。こちらもあっさりとした印象。京都での展示もこんなふうだったのかな。
そんな肩すかしされた思いでさらに奥に進むと、これまでの黒を基調とした展示室から、赤色の展示室が見えてくる。世界初というエピソードⅢの展示だ。
まず、谷が居住空間になっているという星の原型。地形と調和した洗練された文明の姿が、荘厳なイメージで表現されている。またアナキンとオビ=ワン・ケノービが戦う火山の星は、期待に違わぬ、凄まじい紅蓮の炎をあげるイラストで描かれている。それらの星と、コルサントでの政治闘争を中心にストーリーが展開されるのだろう。
重要キャラクターとして、グリーバス将軍という骸骨っぽい外見のやつは要注意とみた。ライトセーバー二刀流のイラストがあり、期待させる。ヨーダと戦うのだろうか?
今回の目玉はアナキンの変貌だが、パルパティーンが正体をあらわす瞬間のイラストもあったりして、こちらも重要なシーンであることを思い出させる。
パドメの他に、美しい姫がもう一人。彼女は誰だろう? あと、チューバッカのでかさにあらためてびっくり。彼の登場シーンも楽しみ。
全体的にみると、エピソードⅢの展示はイメージイラストが中心だ。上映前の展示なのでやむをえない面もあるとはいえ、ちょっと味気ない感じもする。前回のスター・ウォーズ展のように、クリエイターの見事な仕事に感動をおぼえるといった趣は弱い。
また今回残念だったのは、図録がまだ売られていなかったこと。世界同時に4月発売らしい。おかげで、新たに登場する星やキャラクターの名前の多くが思い出せず、この記事に書くことができなかった。
ルーカスがこれで最後と宣言しているだけあって、たしかにエピソードⅢはかなりの大盤振る舞いのようだ。だが作品として面白くなるかどうかは、新キャラクターのグリーバス将軍にかかっているようにも感じる。
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2005年03月05日
寝取られ男
![]() | ピアノ・レッスン ジェーン・カンピオン 紀伊國屋書店 2005-07-23 by G-Tools |
小説の大半は、三角関係の話らしい。三角関係で最もスリリングなのが、不倫を題材にした物語だ。だが僕は不倫を扱った作品にいまひとつ乗れない。どうしてかというと、熱く燃え上がる男女より、妻に浮気されてしまう男の側に立って観てしまうからだ。
妻に浮気される男は、まずいい人でなくてはならない。妻のことを心から愛する人でなくてはならない。日常的に妻に手を上げるような男や仕事だけでまったく家庭を省みなかったり、ましてや外で愛人をつくるような奴では悲劇性という点で盛り上がらない。真面目で紳士的であることも必要。
そんな男の前に、性的魅力はあるがそれ以外どこがいいのかわからんという男が現れ、いともたやすく妻を奪っていく。妻に去られた男は自分がどれほど妻を愛していたかにあらためて気づき、絶望する。その瞬間から、穏やかな性格の中で眠っていた狂気が首をもたげ始める。
僕の中で、そういう寝取られ男のイメージはサム・ニールと決まっている。この人、まず「ポゼッション」でイザベル・アジャーニに浮気されている。それも、相手はなんだか得体の知れないものにだ。上記の「ピアノ・レッスン」では、ハーヴェイ・カイテルの卑猥なレッスンに妻のホリー・ハンターがまいっちゃって、またも悲しい思いをするはめに。こんな辛い思いをした彼がショックのあまり、「マウス・オブ・マッドネス」で完全にいっちゃったのも当然だ。でも、彼はいつか立ち直るさ。だって彼には恐竜という夢中になれるものがあるし、なんてったって彼は悪魔の子なんだから。
日本人と結婚してるんだ。
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2005年02月18日
ウィッカーマン
![]() | ウィッカーマン (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第4弾) エドワード・ウッドワード, クリストファー・リー, ブリット・エクランド, ロビン・ハーディ ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2008-08-07 by G-Tools |
21世紀になったら人々は宗教に関心を失うのではないか、漠然とそう思っていた。豊かで安定した生活を獲得すれば、人は宗教に頼る必要がなくなる。だから世界の人々も少しづつ、多くの日本人のように宗教を重視しない生活態度をとるようになるのではないか。
完全に間違っていた。予想もしなかったほどの不確実な社会がやってきた。不確実な社会は人々の不安を増大させ、宗教が育つのに格好の土壌が生まれた。アメリカでも日本でも、社会的なセーフティネットの欠如をおぎなうかたちで宗教勢力の力が増大し、政治的発言力も非常に強いものになった。
ご存じの通り、ブッシュ大統領再選に大きな役割を果たしたとされるのは福音派とよばれるキリスト教保守勢力である。映画「ウィッカーマン」は、そんな福音派が見たら怒り狂いそうな内容。 きわめて厳格なキリスト教信者の警察官ハウイが主人公。彼は教えにしたがい、もう中年にもかかわらず童貞を守っている。ハウイは少女が行方不明になったという知らせを受けて、スコットランド本土からサマーアイル島に向かう。だが島の人々は誰もがそんな少女は知らないと答え、捜査は難航。やがて、島独自の古代宗教の存在を知る。真相を求めて、島を支配するクリストファー・リー演じるサマーアイル卿のもとを訪れるのだが…。
ジャンルとしてはホラー映画に分類されているが、話は牧歌的に進んでいく。サマーアイル島の自然も美しく、スコットランド民謡調の音楽もふんだんに盛り込まれて、ミュージカルかなとも思う。ブリット・エクランドの全裸エロ踊りもある。だがそれだけで終わらないのが、この映画の怖いところだ。
DVDは特典が充実し過ぎ。価格は高いが、その内容には十分見合うものだと思う。映画では夏という設定だが、実は冬の撮影でかなり寒かったといった話を聞くことができる。
こういう映画が見たかったんだ、という僕の思いにこたえてくれた作品。最高です!
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2005年01月28日
ホームシアターと映画館
■メディアリッチの領分(PC Watch)
ぼくは、この日払った1,300円で、けっこう多くのものを学んだように思う。映画館は空間を売る商売だとは思うが、その空間は、設備だけではなく、そこに居合わせた観客がいっしょに作るものなのかもしれない。その一蓮托生の共同体意識は、800座席の大劇場で得られるものとは異質だった。毎回というのは正直なところちょっと躊躇するが、たまにはこういうのも悪くはないと感じたのだ。
現在、映画を観ることができる環境は急速に拡大している。記事にあるように、ミニシアターを凌駕する大画面の映像が家庭に入ってきているし、パソコンやポータブルDVDプレイヤー、PDAや携帯電話、携帯ゲーム機でも観ることができる。やっぱり映画は映画館にかぎるという映画館原理主義者もいるだろうが、映画館自体も変化している。
大画面と迫力のサウンドを映画に必要な条件とするならば、家庭内の充実したホームシアター環境はすでに達成している。他人と時間を共有しながら鑑賞することに価値を見出すならば、がらがらの映画館で一人さびしく不人気な映画を観るのはどうだろうか。
ただ同じ作品を観ても、観る環境によって記憶に残りやすい残りにくいというのはあると思う。個人的な印象でいえば、ミニシアターで観た映画については結構よく覚えている。比べて、レンタルしたDVDやテレビで観た映画はどんな話だったか思い出せないことが少なくない。下手をすると前に観た映画をレンタルしてきて、観ているうちに「ああ、これ前に観たわ」と気づく(アルツか?)。
もちろん作品自体が面白くなければどこで観たって同じだし、今後携帯端末向けのショートームービーが数多く配信されるだろうから、そこから今までとは異なる映画体験が生まれてくる可能性はある。だが、ミニシアターがもつ熱気というのも捨てがたい。
「悪魔のいけにえ」(DVD、再販してくれないの?)をミニシアターで満員の観客と観たことを思い出した。やっぱり、こういう映画は個室よりみんなで楽しく観たほうがいい。
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2005年01月22日
ゆきゆきて、神軍
![]() | ゆきゆきて、神軍 奥崎謙三, 原一男 GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(D) 2007-08-24 by G-Tools |
SweetBoxのページに話題の商品というのがある。SweetBoxのブロガーが商品レビューを書くと、トラックバックとしてこのランキングに反映されるようだ。だが、SweetBoxが小規模なためにレビューを書いたのが2人程度でもトップ10にランクインしてしまうのが現状だ。
2週間前ぐらいまで、このランキングに「ゆきゆきて神軍」が10位にランクされていて驚いた。「ゆきゆきて神軍」が開かれた場の人気投票で10位ってありえないだろう、普通。日本のドキュメンタリー十傑ならありえるが。
「ゆきゆきて神軍」は、稀代のアナーキスト奥崎謙三を描いた社会派ドキュメンタリー映画で、原一夫監督の代表作でもある。ニューギニア戦を生き抜いた奥崎は、戦後、天皇の戦争責任を執拗に告発しつづける。新年の皇居参賀で天皇にパチンコ玉を発射する、天皇のポルノビラをまくといった数々の事件を引き起こす。映画では、ニューギニア戦線で行われたとされる、隊長による部下射殺事件と食人事件の疑惑をあばこうとする奥崎の行動を追っていく。
この映画で、奥崎は明らかにカメラを意識して行動しており、カメラが彼の狂気を促進している。カメラに撮られていることで、自分が正しいことをしているという彼自身の意識を強め、より攻撃的にさせているようにみえる。ドキュメンタリーとは何かを考える上でも興味深い作品だと思う。
日本という均質な社会で暮らしていると、誰もが同じようなことを考え、同じようなことを話すことに苛立ちを覚えることがある。自分の凡庸さを憎悪することもある。奥崎の思想や行動は支離滅裂で同意できないが、あの突き抜けた感じにはちょっぴり嫉妬する。
長年、名作とされるこの作品を一度は観てみたいと思っていたが、近所のビデオショップには置いてなくて観られなかった。だが最近、公立の図書館で貸し出しているのを発見、観ることができた。公に認められた作品なのだ。奥崎謙三のその後を描いた「神様の愛い奴」も置いてね(それは、無理)。
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2005年01月21日
セルピコ
![]() | セルピコ デジタルニューマスター版 ウォルド・ソルト 東北新社 2006-05-25 by G-Tools |
■愛媛県警:不正経理問題で、現職警察官が告発 (毎日新聞)
愛媛県警の捜査費が不正に支出されていた問題にからみ、同県警鉄道警察隊の仙波敏郎巡査部長(55)が20日、松山市内で会見し、73~95年の23年間、上司から偽造領収書を作るよう要求されたと証言した。会見に同席したオンブズえひめ(代表・草薙順一弁護士)のメンバーによると、一連の警察不正経理問題で、現職警察官が会見し、内部告発したのは全国初。
このニュースを聞いて頭に浮かんだ映画が「セルピコ」だった。
セルピコとはアル・パチーノ演じる警察官の名前だ。冒頭、瀕死の重傷を負ったセルピコが病院に運ばれていくところから映画は始まる。彼がどうしてこのような姿になったのか、そうした疑問を観客に抱かせつつ場面は回想に移行していく。
警察学校を卒業し、念願の警察官になって希望にあふれる新人警官セルピコ。だが、彼を待っていたのは賄賂や怠慢が日常茶飯事の腐敗しきった組織だった。潔癖で、賄賂を受けとろうとしない彼は警察内部で孤立していく。
セルピコはまっとうに警察官としての職務が遂行できる場所を求め、転属を願い出る。だが、どの部署も裏では腐敗が進んでいた。彼は実態を上司に訴えるが、忘れるよう忠告される。
友人の助けを借りながら、セルピコの孤独な戦いは続く。ついに彼は、ニューヨークタイムズにすべてをぶちまけることを決意する。セルピコの告発はニューヨーク中に大きな波紋を広げた。
そんなセルピコのもとに、転属命令がとどく。最も危険な地域の麻薬課への転属で、意図的なのは明らかだった。セルピコは信用できない同僚とともに、凶悪な麻薬犯との対決を余儀なくされるのだった。
ストーリーだけ書くとセルピコがいかにも英雄的に描かれているように感じるかもしれないが、決してそうではない。周りが敵だらけという状況の中で、セルピコは消されるんじゃないかという不安と恐怖にさいなまれる。いつもびくびくして生きる毎日。同居していた恋人には当たり散らして、去られてしまう。そんなセルピコのみじめな姿が、正義をつらぬくことの厳しさを示す。正義をつらぬいたところで、何一ついいことはないのだ。
だが、それでもセルピコはギブアップしない。そんなぼろぼろの姿に心を打たれる。アル・パチーノの演技も見事だ。
実話の原作を映画化したもの。
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2005年01月10日
3Gの時代
![]() | ゴジラ(昭和59年度作品) トールケース版 田中健, 小林桂樹, 沢口靖子, 宅麻伸, 橋本幸治 東宝 2008-04-25 by G-Tools |
■映画監督の橋本幸治さん死去 (asahi.com)
初めて見たゴジラ映画が「ゴジラ」(84年)だった。ちょうどその時期、「ゴーストバスターズ」「グレムリン」というハリウッドのSFX大作も同時期に上映されており、合わせて”3G”と呼ばれていた。
父親に連れていってもらったその映画館も今はない。郊外型ショッピングモール併設の映画館に客を奪われて、閉館した。
橋本監督は生前、TVの特番で次のように話していた。
「『ゴジラ』を完成させた後、考えた。自分は何か新しいゴジラをつくりだすことができたのか、と。私はできなかったと思う。『ゴジラ』をつくってみて、自分の才能の無さを思い知らされた。」
「ゴジラ」を最後として、橋本監督は監督業を引退した。
「メカゴジラの逆襲」を最後につくられなくなっていたゴジラ映画が、ファンの熱烈な要望に応えるかたちで復活したのが84年版「ゴジラ」だった。だが、ゴジラという素材を現代という舞台で生かしきった映画とはいえなかった。当時小学生の僕はそんなこととは関係なく、結構楽しんでいたと記憶するが。
新しいゴジラ映画をつくりだそうという試みはその後も続いた。だが、その道のりは険しかった。その生みの苦しみが始まったのが84年版「ゴジラ」であり、その試みに一応の終止符が打たれるのが、現在上映中の「ゴジラ FINAL WARS」である。
思えばメカゴジラ以来、対戦怪獣にインパクトのある怪獣が生みだされていない。これが個人的には最もさびしい。
橋本監督の代表作として「ゴジラ」の他に「さよならジュピター」が挙げられているが、2作品の出来に最も不満だったのは監督自身なのかもしれない。
冥福をお祈りします。
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2004年11月17日
草の乱
市民出資による4億5千万円の制作費で実現した自主映画。明治政府の政策により困窮した農民3千人が、政府打倒を目指して武装蜂起した”秩父事件”を描く。現在、上映中。
「あまりにも悲惨な敗北にもかかわらず、秩父事件は今も光を放つ。勝ち負けを超えて人は闘わねばならぬ時がある。家族のために、仲間たちのために、そして自分たちの未来のために。凄いやつら-そのことを信じ立ち上がった無数の無名の男たち女たちの壮大な闘いがいまよみがえる。デフレ、不況、海外派兵―あまりにも重なり合う現代の日本に闘いのバトンをわたすために――。」(公式ホームページより)
監督は前作「郡上一揆」でも、民衆側からの為政者に対する異議申し立てを描いた神山征二郎。
これは観たい!
前作「郡上一揆」を観たが、農民が緻密な戦略にしたがって一揆をすすめていく様子が丁寧に描かれており、今までの「一揆」に対して抱いていた、情念を全面に押し出すだけのイメージをくつがえす新鮮なものだった。
僕自身、現在の政府が行っている政策に対しては不満を抱いている一人だ。ある特定の体制や人間をプロテクトし、そうでないものは切り捨てることで、前者だけの繁栄を実現させようとしていると思う。だが、ヘタレな僕はこの政治に対しての不満をどう表現したらいいかがわからない。選挙には行くが、重要な決定は選挙期間を避けるようにして閣議決定されてしまう。デモへの参加もいいかもしれないが、日本ではなぜか盛り上がらないので参加する気分になれない…。
この白けた自分に喝を入れてくれる熱い映画であることを期待して、今週末に観てこようと思う。
公式ページはここ。
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2004年10月30日
カイル・クーパー
映画「ゴジラ FINAL WARS」のメイン・タイトルはカイル・クーパーがつくるらしい。ゴジラ映画は今まで全部観ているが、今回のゴジラは失望しに観にいくようなものだと思っていて、まったく期待していなかった。でも、カイル・クーパーのタイトル・クレジットが観られるならということでちょっぴり心が動く。
カイル・クーパーのタイトルは、時に本編の内容より豊かで面白く、観ていて興奮する。「セブン」以降、ああいった手合いの映像が増えたが、所詮は亜流。俺の技術にひれ伏しなさいというデザイナーの独りよがりなものもあり、クーパー御大のオリジナリティにはほど遠い。
映画をこれから観るぞという気分を盛り上げる重要なパートとして、タイトルはいつも注意して観ている。そんなタイトルに必要なのは、作品世界の雰囲気を的確に表現し、なおかつカッコいいことだと思う。



































